いよいよオケが完成し、ボイスを乗せる段階まで来ました!ボイスは既にジャマイカのエンジニアがミックスを終わらせているので、後は合わせるだけ!!
でもここからも一筋縄では行かない……
まず、オケだけで聞くのとボイスを乗せたあとに聞くのでは、聞こえ方が全く違うんですよね。ここでも数日かけて微調整を施します。
また、ルーキーDはシンガーであり、声が高いので、オケに乗せた場合、より低音がクッキリと聞こえる現象が起こります。
僕はそのままでも良いかな、と思ったのですが、ディグリーはそうもいかず、ここでも微調整。あまりに二人の声質が違うので、ディグリーの声の周波数を、少しルーキーDのものに近づけました。つまり、低音を削りちょっとハイな成分、「空気感」を足したのです。
そうなると問題になってくるのがSの発音、「シー」とか「スー」とかの耳を貫くような音です。音楽界隈では歯擦音と呼ばれています。
それを軽減するプラグインがディエッサーと呼ばれるものなんですが、普通はこれを使って微調整すれば良いんです。
で、今回も初めはそうしたんですが。
「なんか発音が不自然になったな。」と一言。
しかも良いところと不自然なところが混在してるみたい。
ええー、僕ネイティブスピーカーじゃないから分かんないっすよぉ。
てことで……リリックを最初から最後までチェックし、その都度イコライザーをかけるという細かな作業を施しました。
もう、これに関してはひとつひとつ本人に確認してもらうしかなかったです。納得するまで何度も。
ちなみに、ルーキーDはミックスに関しては何も言ってきませんでした。全てディグリーに一任してるんでしょうか。
話を戻しますが、ディエッサーに関しては、その国の言葉を話す人じゃないとキツイな、と感じた出来事でした💦ちなみに日本語の場合、かけすぎると舌っ足らずな感じになります。
さて、この辺りの問題もじっくり検討し、ひとつひとつクリア。クリアしたと思ったらまた修正。その繰り返しで擦り合わせ。本当に長い時間をかけました。
徐々に出来上がり、ようやくミックスが完成!!
後はマスタリング、というところまできました。マスタリングを施せば配信開始できる。
しかしここでもジャマイカ流を体験するのでした。
〈その4へ続く〉
One More Time Riddim その4 マスタリング時のヘッドルームはいくつが最適か? - トラックメイカー視点の音楽鑑賞